国家試験・資格試験で正解を導き出す!強い限定表現の見分け方と活用法
問題文に強い限定的な表現が含まれている場合、その問題文は
正しくない表現をしている確率が高いです。
では、どのようにして限定表現を見分けることができるのでしょうか?
この記事では、以下ポイントについて解説します。
強い限定表現とは
何かを制限したり条件付けしたりする表現(のみ・だけ)のことです。
強い限定表現の例 以下の言葉が含まれている場合断定表現の可能性が高いです。
限定表現の例 | 備考 |
---|---|
〜なのは〜のみである | 他の要素が存在しないことを強調するとき |
〜なのは〜だけである | 他の要素が重要でないことを示すとき |
〜なのは〜以外にはない | 他の要素が重要でないことを示すとき |
〜なのは〜しかない | 他の要素が存在しないことを強調するとき |
〜なのは〜だけが可能である | 他の選択肢が不可能であることを強調するとき |
なぜ正しくない表現をしている確率が高いのか?
強い限定表現は、一般的な事実や原則を超えた主張をしていることが多いです。
しかーーーし(。-`ω-)
その主張には必ず根拠や証拠が必要です。それらを調査する問題作成者の心理や手間を考えると、
正しくない表現の確率が高くなる
というのが、私の考えです。
ただし、法律等で明記されているものや周知の事実事項はこの限りではありませんので注意です。
例題(強い限定表現)
次の問題を見てみましょう。
問題: 次のうち、労働基準法の罰則で正しいものはどれか。
a. 労働基準法第117条の違反に対する罰則は、罰金のみである
b. 労働基準法第117条の違反に対する罰則は、懲役だけである
c. 労働基準法第117条の違反に対する罰則は、懲役または罰金が科せられることがある
d. 労働基準法違反に対する罰則で、懲役または罰金が科せられるのは、第117条だけが可能である
正解は c です。
他の選択肢は、必ずしも正しくありません。
この問題では、a, b, d の選択肢に強い限定表現が含まれています。
a. 「労働基準法違反に対する罰則は、罰金のみである」という文は、労働基準法違反に対しては罰金以外に刑罰がないことを示しています。
しかし、実際には、労働基準法違反に対しては、罰金だけでなく懲役や業務停止命令などの刑罰もあります。
b. 「労働基準法違反に対する罰則は、懲役だけである」という文は、労働基準法違反に対しては懲役が最も重要な刑罰であることを示しています。
しかし、実際には、労働基準法違反に対しては、懲役だけでなく罰金や業務停止命令などの刑罰も重要です。
c. 正しい
d.労働基準法違反に対する罰則で、懲役または罰金が科せられるのは、第117条だけではありません。
労働基準法第117条によれば、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金が科せられます。
労働基準法第118条によれば、1年以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます。
労働基準法第119条によれば、6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。
労働基準法違反に対する罰則で、懲役または罰金が科せられるのは、第117条だけではありません。
このように、強い限定表現を見分けるコツは、断定表現同様に反例や例外が存在する可能性があるかどうかを考えることです。
留意点
強い限定表現が正しい答えを限定することができるかどうかは、以下の点が重要となります。
問題文の内容や文脈を正確に理解すること
問題文に含まれるキーワードや用語を正確に理解すること。
例えば、「労働基準法第117条」というキーワードが含まれる問題文では、労働基準法第117条が定める内容を正確に理解することが重要です。
問題文に曖昧さや不明確さがないか確認すること
「A、B、Cのうち、正しいのはAだけである。」という問題文では、Aが正しい答えであることが示されているため、
その条件を正確に理解することが重要です。
このように、択一試験の限定表現の留意点は、問題文の内容や文脈を正確に理解し、適切な答えを選択することです。
さいごに(強い限定表現編)
この記事では、資格の択一試験で強い限定表現を使っている問題は、正解の可能性が低いというコツをお伝えしました。
強い限定表現を見逃さないようにすることで、問題に対するスピードや正答率を高めることができます。
次回は、例外表現についてご紹介します。
例外表現とは、通常のルールや原理から外れるものを示す表現のことです。
例外表現にも出題者のワナが仕掛けられていますので、乞うご期待!