国家試験・資格試験で相反する選択肢がある場合の対処法
択一試験で相反する選択肢がある場合、
どちらかが正解である可能性が高いです。
しかし、その判断方法は意外と難しいものです。この記事では、相反する選択肢がある場合の対処法を具体例とともに解説します。
相反する選択肢はどちらかが正解である可能性が高いメカニズム
一般的には、以下のような理由が考えられます。
問題作成者は、受験者の知識や判断力を測るために、問題の難易度やバランスを考慮して選択肢を作成しています。
そのため、
正解と不正解の選択肢はそれぞれ一つずつであることが多く、相反する選択肢はどちらかが正解である可能性が高いです。
例題
中速回転機器のベアリングの早期摩耗を防ぐために重要なことはどれでしょうか?
(A) ベアリングの軸受けに過剰な潤滑油を注入する
(B) ベアリングの軸受けに適量の潤滑油を注入する
(C) ベアリングの軸受けに潤滑油を注入しない。
(D) ベアリングの軸受けに水や空気を注入し、錆や酸化などの化学反応を起こす
この場合、2つの相反が隠されています。
一つは (A)と(B)が 潤滑油の注入量について相反。
もう一つは (A)(B)と(C)(D) で 潤滑油の注入有無について相反しています。
ベアリングの早期摩耗を防ぐためには、ベアリングの軸受けに適量の潤滑油を注入することが最も重要です。潤滑油は、ベアリング内部の回転体同士や回転体と軌道との間の摩擦や熱を低減し、摩耗や焼き付きを防ぎます。
以上のことから
潤滑油の注入が正しいことをいっているので、答えは(A)(B) に絞られます。
また、適量の潤滑油管理が必要なことから
正解は(B)となります。
因みに具体的な解説は以下となります。
(A)は誤りです。ベアリングの軸受けに過剰な潤滑油を注入することは、ベアリングの早期摩耗の原因となります。過剰な潤滑油は、ベアリング内部で攪拌されて発熱し、温度上昇や油膜破壊を引き起こします。また、過剰な潤滑油は、ベアリング外部に漏れ出して汚染や火災の危険性を高めます。
(C) は誤りです。ベアリングの軸受けに潤滑油を注入しないことは、ベアリングの早期摩耗の原因となります。潤滑油がない場合、ベアリング内部の回転体同士や回転体と軌道との間に直接的な接触が生じて摩擦や熱が増加し、摩耗や焼き付きを引き起こします。
(D)は誤りです。ベアリングの軸受けに水や空気を注入することは、ベアリングの早期摩耗の原因となります。水や空気は、潤滑油と混ざってその性能を低下させたり、錆や酸化などの化学反応を起こしてベアリング内部を劣化させたりします。
留意点
相反する2つの選択肢がある場合は、その問題の文脈や条件をよく読むことも重要であり、場合によってはひっかけもあります。
例題
月の満ち欠けはどのようにして起こる現象でしょうか?
(A) 月が地球の影に入ることで起こる
(B) 月が太陽の影に入ることで起こる
(C) 月が地球の周りを回ることで起こる
(D) 月が太陽の周りを回ることで起こる
一見 (D) は間違いな事を言っており、(A) (B) が相反しているので、(A) (B) どちらかに絞れると思いますが・・・
(A)は月食を、(B)は日食を説明しており、それらは満ち欠けとは異なる現象です。
そのため
正解は (C) となります。